
Baby Apple's Crown
足元に置くのは、機材か、それとも作品か
ヴィンテージファズは、偶然の美しさを宿しています。
荒々しく、予測できず、ときに扱いづらい。
それでも多くのプレイヤーが惹かれてきたのは、その不完全さの中にしか生まれない表情があるからです。
Baby Apple's Crownは、Tone BenderやFuzz Faceの系譜に連なるクラシカルなファズをベースに、その魅力を現代の演奏環境へ落とし込んだ一台です。
3石のゲルマニウムトランジスタが生み出すのは、力強いミッドレンジと豊かなサステイン。
荒々しい歪みを持ちながらも、ギターのボリュームやトーンコントロールには驚くほど素直に反応し、クランチから濃密なファズまで演奏に寄り添うように表情を変えていきます。
さらにINPUTコントロールを備えることで、高出力ピックアップでも音像を整理しやすく、入力を絞ればクラシカルなオーバードライブライクなキャラクターまで引き出すことができます。ヴィンテージの魅力を残しながらも、「使えるファズ」であることを強く意識した設計です。
このペダルが目指したのは、名機のコピーではありません。
あの時代のファズが持っていた"感情を揺さぶる音"を、現代のプレイヤーが安心して鳴らせるようにすること。
良いファズは、演奏を支配しません。
弾き手の熱量を、そのまま音へ映し出してくれます。
そして、Baby Apple's Crownを語るうえで欠かせないのが、その筐体です。
回路設計者であるhayapi氏(岸田教団&THE明星ロケッツ Gt)自身が描いた油彩画を、高精細UVプリントとクリアコーティングによって仕上げた外観は、サウンドだけでなく視覚まで含めて一つの作品として完成されています。
足元に置くエフェクターでありながら、同時にアートピースでもある。
音も、佇まいも、長く手元に置いておきたくなる一台です。
(Writter:サトウリョウタロウ)
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