
UFO'84
ファズには、生き物の様な振る舞いがある
気温が変わると音が変わり、ギターのボリュームを絞ると別の顔をする。前段にバッファーを置けば歪みが増し、トゥルーバイパスで繋げばヴィンテージライクに返ってくる。
UFO'84はその振る舞いを制御しようとするのではなく、むしろ引き受けることにした。
2段式直結回路にゲルマニウムトランジスタを据えたこのファズは、FuzzFaceの文脈を持ちながら、その解釈を独自に更新している。
内部に並ぶ円盤状のトランジスタがUFOの名前の由来だ。一個ずつ計測し、出荷時にバイアス電圧を調整する。そこまでするのは、ゲルマニウムの個体差が音を決定的に変えるからだ。
3つのノブのうち、ひとつには名前がない。
ただ「?」とだけ書かれている。このノブは高域のキャラクターを変化させ、絞ると丸く温かく、上げると鈴鳴りのようなパキッとしたトーンが現れる。
Gainノブはファズのフズノブとは異なり、ギター本体のボリュームに近い挙動をする。
絞ればブースターに近づき、上げればファズの深みへと沈んでいく。その二つの関係性の中で、音は無数の表情を持つ。
Ver.2では電源回路にノイズフィルターを追加し、ACアダプターでも積極的に使える設計に進化した。
音は変わり続ける。しかしその変化の中心に、いつも弦の声がある。
(witter:サトウリョウタロウ)
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